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鈴欄

SUZURAN

序章 人間と音楽

◆諸民族の音楽 民俗音楽学

□第1 自然民族の音楽 無文字社会(インディアン・エスキモー)

□第2 世界各地の高文明における芸術音楽

□第3 高文明の基層にある民族音楽(わらべ歌・民謡)

ヴィオラ『世界音楽史ー4つの時代』


◆音楽の起源

キリスト教「音楽は神より人間に授けられしもの」

<18世紀>

□ルソー、ヘルダー 言語起源説「音楽は人間に由来する」

<19世紀>

□言語起源説 スペンサー 

□感情起源説 ヴント

□恋愛起源説 ダーウィン、イェスペルセン

□魔術起源説 コンバリュー

□労働起源説 ビュヒャー、エンゲルス

□信号起源説 シュトゥンプ

□リズム衝動起源説 ワラシェク

<20世紀>

ザックス 客観性

□第1 抑揚をつけて言葉を唱える「言語起源的」な様式

   2~3音のわずかの上下動により水平に近い旋律を描く

□第2 形にとらわれず感情をほとばしらせる「感情起源的」な様式

   音域は広く最初叫び声で音高が高く始まり

   急降下したり段階的に下りたりして最低音で弱まる下降の旋律線を描く

複合的に「旋律起源的」な様式へ発展形成


◆音楽の機能

□第1 魔術的・呪術的

    雨乞い・踊って悪霊払い・歌って葬る

□第2 宗教儀式

    シャーマニズム

□第3 労働促進

    田植囃子、酒造り歌、茶摘み歌、木挽き歌、

    櫓漕ぎ歌、機織り歌、石切り歌

□第4 信号伝達

    アフリカ トーキング・ドラム

   ポリネシアメラネシア 割れ目太鼓

□第5 男女間の求愛

    ヒマラヤ 歌垣の風習

    日本 『古事記』『風土記』『万葉集』 

□第6 精神修行

    中国 七絃琴 儒教思想 君子の精神修行の道具

    日本 筑紫流や八橋流の俗糊箏

    古代ギリシャ プラトン 国家の番人の訓練(エートス論)

□第7 芸術としての音楽

    美的価値 娯楽や鑑賞として楽しむ 

音の素

□楽音(弦楽器や管楽器) 

 音の波が規則正しく一定の周期性を持って振動する場合

 一定の音高に安定して聴こえる

噪音(騒音、雑音)非楽音

 (韓国の横笛テーグム、インドの弦楽器タンブーラ)

 (三味線のサワリの装置、尺八のムラ息、能管のヒシギの技法)

 音の波が不規則に変化して明確な声高の認識のできない場合

○自然界の音

 パプアニューギニアのカルリの人たちは自然の音を音楽のように聴く

 『源氏物語』虫の声、鳥の声、風の音、波の音

○発声法

 西洋 ベル・カント唱法 明朗でよく響く

 日本 さびのある声 渋い声

 モンゴル ホーミー 高音と低音を同時に響かせる

 イラン タハリール ヨーデルに似て震えたような声

           裏声と表声を激しく交互させる

音楽理論の展開

古代ギリシア 音楽理論

 ピュタゴラス、アリストクセノスプトレマイオス

西洋音楽理論

 ボエティウス、グィード・ダレッツォ、グロケオ、グラレアーヌス、ザルリーノ


□第1 アジア

 完全5度と完全4度を上下に反復していく三分損益の法により

 5音音階(五声)、7音音階(七声)。12半音(十二律)

 『呂氏春秋』季夏紀・音律

 『南子』天文訓

 『前漢書』律歴志第一上

□第2 インド独特

 たとえばオクターヴを22律に分け その配分の仕方で

  サ・グラーマ(3・2・4・4・3・2・4)

  マ・グラーマ(3・4・2・4・3・2・4)

 2種類の音階を決定する

 『ナーティヤ・シャーストラ』バーラタ

□第3 アラビア(古代ギリシアの影響が基礎)

 音律論を例にすれば完全4度の累積法により

 中世には17律(サフィーアッ=ディーンの理論)

 中立3度・中立6度 アラビア音楽に本質的なもの

 24平均律(ムシューカの理論)

 

 フェルド

 パプアニューギニアのカルリ

 音程や旋律型 滝、木の幹、枝、鳥の声で表現


◆楽器をめぐる諸問題

□仏教儀式 磬(きん)・法螺貝・鐃(にょう)

□通信 アフリカのトーキングドラム

□西洋的な3分類法(管楽器・弦楽器・打楽器)

□中国 八音(金・石・糸・竹・捧・ほう・土・革・木)

□日本 吹きもの・弾きもの・打ちもの・振りもの・すりもの

□インド 弦楽器・管楽器・打楽器(革楽器・金属楽器)

□1914年 ホルンボステルとザックス(発生体の振動原理)

 体鳴楽器・膜鳴楽器・弦鳴楽器・気鳴楽器・電鳴楽器

テトロン弦・ナイロン弦・金属弦

□三味線 中国(三絃)・沖縄(三線) 蛇の皮

     日本            猫の皮

◆楽譜をめぐる諸問題

□伝承 西洋    楽譜(記譜法)

    非西洋諸国 口頭

音価(リズム)

 ↓モード・リズム

 ↓フランコ式記譜法

 ↓黒符定量記譜法

 ↓白符定量記譜法

 近代五線記譜法

<中国>七絃琴 減字譜

 絃名・徽(き)の数字・左手の指・右手のひき方・装飾音・速度

<日本>

 器楽譜 唱歌譜(竜笛、)

     指附譜(三味線)

     孔名譜(尺八)

     勘所譜(能管)

     絃名譜(箏)

     粒付譜(太鼓、小太鼓)

 声楽譜 博士譜(催馬楽、朗読、声明)

     胡麻譜(早歌、平曲、謡曲

     曲節譜(浄瑠璃

 音高の表示には成功

 音価を正確に規定しない

<近代西洋音楽> 五線譜

 音の長さを厳密に規定する定量記譜に成功

 すべての楽曲を表示

西洋音楽史と日本音楽史

日本への西洋音楽の伝来

□1度目 16世紀半ば 室町末期~安土・桃山時代

      キリスト教とともに儀式音楽も伝来 →鎖国で禁教令

□2度目 文明開化の政策を進めた明治時代

      音楽取調掛を設置